たしかに川はでてくるが、なぜ映画の題名になっているのかよくわからなかった。川がどううつろったのか。それとも主人公の一生を川にたとえたのだろうか。
全体に重苦しく、2度目は見たくない。どぎつい作品だ。見なければよかったと言うのではない。見てよかったとは思う。
当時の奴隷調達の仕方について、ちっとも知らなかったので、驚いた。アフリカの黒人の部族どうしの戦闘で、捕虜になった人を、奴隷商人が買い取るらしい。奴隷商人は白人と思っていたら、黒人もけっこう関わっていたらしい。単純に白人が黒人を捕まえてくるだけなのではないことが、見ていて気持ちを重くさせる。
この映画を見ると、フランス人っていやだなと思ってしまう。小学校の音楽室の後ろにはってあるバッハやヘンデルのような、かつらをつけて、やけに気取っている。アフリカに行ってもそうだ。そして、さかりのついた犬のように、ところかまわずセックス。まあ、これは視聴者へのサービスだろうから、いいとして。
主人公は、小型のチェンバロを持参する。船で奥地に行くときも、持っていく。よくこわれないものだと思う。そのチェンバロの音がまた、ねばっこく、この映画の重苦しさを助長する。アフリカにも行きたくなくなりそうだ。
フランス革命の時、アフリカにいたので、直接その波にもまれなかった支配者の一生。はじめは人間ではないと思っていた黒人が、自分と同じ人間だと感じ始め、また、愛し始める。献上された黒人少女を自分の子どもとして育て、やがて、彼女と男女としての愛が生じ、子どもが生まれ、その時彼女は死ぬ。この物語は、その時生まれた混血の男の子が後に、父を語るというかたちで、物語られる。
いつ見た映画だったか、あまり記憶にない。そう昔でもないが。
データ
川のうつろい LES CAPRICES D'UN FLEUVE 1995 フランス
英語名:Unpredictable Nature of the River
監督: |
ベルナール・ジロドー Bernard Giraudeau |
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製作: |
ジャン=フランソワ・ルプティ Jean-Francois Lepetit |
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脚本: |
ベルナール・ジロドー Bernard Giraudeau |
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撮影: |
ジャン=マリー・ドルージュ Jean-Marie Dreujou |
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出演: |
ベルナール・ジロドー Bernard Giraudeau |
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アンナ・ガリエナ Anna Galiena |
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ティエリー・フレモン |
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リシャール・ボーランジェ Richard Bohringer |
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アイサトゥ・ソー |
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